エクスポージャー法であがり症克服

あがり症を克服するための訓練の一つであるエクスポージャー法を紹介します。

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あがり症に有効なエクスポージャー法

あがり症は不安な状況から逃げ出す

あがり症の人は、不安を感じる状況から逃げ出し、自分だけの小さな殻に閉じこもろうとする、と言われている。不安な状況に身を置かないが不安を少しでも和らげてくれるので、無意識のうちにこのような行動をとってしまう。あがり症を克服するためには、このような行動をせずに、不安を感じる状況から「逃げ出さない」ことが大切になってくる。

あがり症を克服するための治療を何も行っていないのにもかかわらず、あがり症が改善された、というケースがあるようである。このようなケースは治療を始める前に不安を感じる状況に立ち向かい、それを克服してしまった人がいるということを示している。このようなケースは子どもに多いと言われている。親が子どもに対して積極的に他人と関わりあえるような状況を作り出すことによって、子どものあがり症は比較的簡単に改善していく傾向にあるようである。

しかし、大人になると子どものように簡単にはいかない。いったん確立してしまった不安な状況から逃げ出すという行動様式を変えるのはなかなか難しいからである。このような行動様式を変える訓練としては、「エクスポージャー法」が有効とされている。

エクスポージャー法は曝露療法とも呼ばれ、不安に感じる状況にあえて身を置き、その状況に身をさらすという訓練になる。あがり症の人は、不安な状況から逃げ続けている限り、その不安に対する恐れを取り除くことはできない。あえて不安を感じる状況に立ち向かっていくことで、その不安は少しずつでも軽減されていくはずである。

エクスポージャー法の前段階

エクスポージャー法であがり症を克服するためには、まず問題点をはっきりさせることが大切になってくる。自分がどのような状況に置かれるとあがってしまうのか、ということを整理することが、あがり症の克服への第一歩となるのである。

例えば、ひどく散らかった家があるとして、その家を片付けなくてはならないとする。この家をどうにかして片付けなければならない、という対象として見ている限り、どのように手をつけて良いのか分からず途方にくれてしまう。しかし、この部屋から片付けてしまおうとか、このあたりから手をつけようなどと、問題点を分割してとらえることができれば、効率的に家を片付けることができるだろう。あがり症の克服についても同じことが言える。

あがり症の人が治療を受ける際、自分の問題を上手に説明できなくて途方にくれてしまう人が多いようである。「とってもあがり症である」と言われても、治療者はどこから手を付けて良いのか分からない。「あがり症である」ではなく、「いつ、どこで、誰と、何をしている時に」あがってしまうのか、問題点を整理することから始まる。

そして、自分がどのような状況に置かれるとあがってしまうのか、感じる不安の強さの順にリストアップしていき、嫌でも何とか立ち向かうことのできる状況はどれか、いつも必ず避けてしまうほど不安の大きい状況はどれか、ということを整理していく。これらの作業はエクスポージャー法を実践する前段階の重要な作業となる。